「マンボウ」(蔓延防止等重点措置)の甲斐もなく、連日コロナ感染者数1000人越えを記録している大阪府。いよいよ次のステージ=「緊急事態宣言」の要請へ踏み切る姿勢を見せている。原因はどうやらウィルスの変異種で、東京都も後を追っている。
ところで、マンボウと言えば、水族館では人気者だが、その人気故に見学者が群がることが多く、どうやって入場者を分散させるかが、水族館側の永年の課題であったと言う。
NHK総合テレビ番組「逆転人生」(2021年4月12日放送)の中で、山野智久氏はインタビューに答えて、彼の経営する企業が「観光体験ツアー」予約サイトの運営で大当たりし、好業績を上げていたこと、それが昨年来のコロナ禍での外出自粛等で一気に霧消し、会社倒産の危機に陥ったことを明かしている。
他方で、入場制限などの「『密』にならないように」とのコロナ対策は、各地の動物園や水族館などでも強化され、それらの施設側も経営難に苦しんでいた。
山野氏の「逆転の発想」はここに注目した。即ち、予め「『密』を避ける」べく入場者を分散するように来園日・入場時間を割り振った「日時指定チケット」販売システムを開発することであった。それも短期間で。
システム開発は難作業だったが、狙いは的中し、全国の水族館などから問い合わせ・注文が相次ぎ、会社の業績はコロナ不況下でV字回復を遂げる。
この発想は世界のコロナ禍に置かれた企業に参考となろう。「『密』を避ける」という経営環境に、「『密』を避ける」経営手法によって対処する。「そんな馬鹿な」…「なるほど」、グローバルな経営戦略は常に、正確な「時代認識」「理解力」「論理的思考力」によって支えられている。