2021年3月3日のひな祭り当日、日本最大のジェネリック医薬品(後発薬)メーカーである日医工(株)が医薬品の出荷試験における10年にもわたる不正で「業務停止」処分を受け、世間を驚かせた。
ジェネリック医薬品(後発薬)という言葉も黒柳徹子のテレビ・コマーシャル以降、家庭でもすっかりお馴染みになった感があるが、病院通いの人や持病持ちで薬が欠かせない人にはすっかり知れ渡っているのというのが実情だ。
と言うのも、あちこちの薬局で薬剤師からジェネリック医薬品(後発薬)を薦められるからである。曰く、「お医者さんから処方された薬と同じ効果がある薬で、お安いです」。一億総薬漬け(?)社会では魅力的な言葉だ。背景には医療費総額抑制の政策がある。
ところで、ジェネリック医薬品(後発薬)は、世間で信じられているように、本当に医者の処方薬と同じ薬なのであろうか(?)
複数の専門家・業界関係者にヒアリングしたところ、ジェネリック医薬品とは先発薬の特許切れになった知見(化学構造など)を基に、その他の添加物や製造工程などを独自に工夫して「開発」される薬であって、先発薬とは別物である。その意味では、「医者から処方された薬と同じ効果がある薬で、安価」ではあるが、「先発薬と同じ薬」ではない。独自に工夫した部分については後発品メーカーの責任である。(だからと言って、「効かない」とか「リスキーだ」とかを主張するものではない。)
最近、薬局で向こうから「ジェネリックにしますか」と聞かれたり、熱心なところでは「特にお申し出の無い限りジェネリック医薬品をご用意致します」という薬局に遭遇した経験はないだろうか(?)薬剤師が医療費総額抑制の政策を思ってそこまで頑張るのかと言えば、それもあるかもしれないが、ジェネリック医薬品を提供する薬局にはちゃんとインセンティブが出る仕組みになっているのだそうだ。「なるほど」、医療費の抑制は必要だし、家計の負担を考慮するのも大切だし…さて、先発薬と後発薬、どちらを選択します(???)