スコットランドがイギリスから独立(?)

 「スコットランド」独立の是非を問う住民投票が来年=2014年に英国で実施される。中村俊輔が活躍したあのサッカー・チーム「セルティック」があり、ゴルフ発祥の地=セント・アンドル-ズがあり、ある意味では明治維新に最も貢献した幕末の武器商人トマス・グラバーの故郷=アバディーンがあり、アダム・スミスの墓があるエジンバラがあり、スカート風の衣装で行なわれるバグ・パイプの行進で知られた、あのスコットランドである。

  ワールドカップ(サッカー)には、英国代表に組み込まれるのではなく、イングランド、ウェールズと並んで、スコットランドとして(予選)出場する。勝ち抜けば、勿論「英国」ではなく「スコットランド」として本線に出場することになる。(「イングランド」も「英国代表」として参加している訳ではない。)

 そもそも、「英国」とか「イギリス」とわが国で呼んでいる「国」は、正式には“United Kingdom of Great Brighten and North Ireland”(略称=U.K.)なのであって、「連合王国」なのである。その連合王国からの離脱=独立を認めるかどうかの住民投票を行なおうという話である。

 「スコットランド」が「一つの国」であることを示すのは、何もサッカーのワールドカップ参加権だけではない。英国(U.K.) には、“Bank of England”の他に、“Bank of Scotland”という銀行があって、何と「紙幣」=ポンド札を発行しているのである。勿論、ローカル紙幣=地域通貨ではなく、立派なポンド紙幣であり、英国内で通用する。一国内に紙幣発行銀行が二つあるというのは聞いたことがない。驚くべきことである。

 因みに、ウェールズの方も、紙幣発行銀行こそないが、英語とウェールズ語が併用されており、テレビ放送はウェールズ語、場合によってはウェールズ語での放送に「英語の字幕」が付いている。鉄道の駅名表示もウェールズ語が上、英語が下となっている。

 そういう訳で、もともとスコットランドの独立性は日本で想像する以上に高いのであるが、U.K.から「出る」ということになると、経済、財政他さまざまな問題も予想され、世論調査では賛成派の方が少ないようである。しかし、スコットランド自治政府の首相や与党は「独立派」であるから、どうなるか、選挙結果によっては来年英国が熱くなる可能性はないとは言えない。

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