デジタル社会の「除け者」=「ハンコ(判子)」技術!日本の半導体メーカーを救う(?)

 世界経済の足かせとなっている半導体不足。自動車産業も4~9月期は販売が落ち込み、その原因は生産量の落ち込みにあるが、そもそも生産量の落ち込み(売れるほど作れない)自体が自動車部品の半導体の調達不足から生じている。

 半導体の調達不足は多くの産業にとって問題になっているが、半導体生産では負け組に属するようになってしまっている日本の半導体製造企業の中から、新しい製造技術が生まれようとしている。それもデジタル社会から駆逐されようとしている「ハンコ」(判子)の発想を使うと言う。

 現在の技術では、半導体の製造はシリコンウェハーの上からマスク(回路図)を露光して焼き付けることで行なわれ、マスクを何度も転写する必要があるためコストが掛かり、多額の設備投資が必要になる。エッチング技術の応用である。しかし、「ハンコ」式製造法では、3次元のパターンを形成したマスクをシリコンウェハー上の感光材樹脂に「押し付け」ながら一度の露光で転写することで製造が可能となる。

 日本ではデジタル社会の構築が遅れているということで、9月にはデジタル庁も発足した。行政改革担当大臣まで置いてハンコ社会を改造しようとしてきた中での救世主としての「ハンコ」式製造法の登場。意外な展開である。

 技術というのは、人の常識や想像を超えた要素を持っている。現在主流となっている露光法が印刷分野における要素技術としてのエッチングの技術から半導体の製品技術となったように、「ハンコ」の「パターンを液体に押し付ける」技術が生かされる。

 行政手続きなどの分野では用済みとされることになった「ハンコ」だが、その要素技術が半導体の製造技術として生かされ、しかも日本の半導体メーカーの劣勢を挽回することに役立つかもしれないというのは、実に興味深いことである。

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