ゲン担ぎ、「ウサギの足のキーホルダーは幸運をもたらす?」、そして……

 経済紙の別刷りに「ゲン担ぎ」に関するアンケート調査の結果が載っていた。まず、「ゲン担ぎ」は漢字でどう書くか……問題は勿論「ゲン」という字であるが、正解は「『験』担ぎ」である。

 さて、験担ぎの記事であるが、よく知られているものとしては、「可能な限り後の順番を選ぶ」=「残り物には福がある」や「緊張しないように、手のひらに『人』という字を書いて飲み込む」などが触れられていた。

 ここで、目を世界に向けてみよう。西洋には「西洋占星術」があり、中国には「干支・十二支」などがあり奥が深そうなので、西洋の験担ぎから有名なものを2~3挙げてみる。

・「ウサギの足でできたもの(例えば、キーホルダー)を身に付けていると幸運が訪れる」
・「梯子の下を歩くのは不吉」
・「鏡を割ると不吉」

 これらに馴染みがなく、「な~んだ、くだらない」と思う日本人も、仏滅や友引の日に結婚式を挙げたり引越しをするのをためらう気持があるのは興味深い。付け加えて言うと、紹介した西洋の験担ぎ、特に、「不吉」な方にはそれぞれその解消法も存在する。

 験担ぎはひとびとの日常生活や行動の中での小さな(?)意思決定の手助けになっているとすればそれはそれで構わないが、大切なことは験担ぎにも謂れがあり(例えば、「13日の金曜日は不吉である」はイエス・キリストを裏切ったユダが13番目の弟子であり、そのためにキリストが十字架に架けられたのが金曜日だった)、その基となった謂れ・歴史に思いを馳せることではないか。

 特に「歴史」については、日本人には忘れられぬ記憶がある。「歴史は繰り返す」とも、「一度起きたことはまた起きる」とも言われるが、3・11東日本大震災の際、一体何人の日本人が「津波が来たら神社に逃げろ」という言葉を思い浮かべることができたのだろうか。例えその根拠が分からなくても役に立ったであろうが、もしその意味するところや過去の津波被害の歴史的事実を知っていればはるかに応用度は高くなるに違いない。

 何事も当たり前のように受け入れ、通り過ぎるのではなく、ちょっと振り返って考えてみるのも時には大切なようだ。

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