日本人は休暇が嫌い?祝日大国の謎!

ここ日本では、新聞広告には春休みの旅行企画が満載である。メールに至っては、「これでもか!」と言わんばかりの攻勢である。大学生は年度末の試験も終わって春休み、卒業式と就職を待つ4年生は卒業旅行のシーズンだ。シニア向けには春を思わせる「季節もの」が多い。

ちょっと先をのぞんだ企画では、5月のゴールデンウィークものも出だしている。船旅は割と先物を出しているが、それでも夏休み企画というのはまだ早いようだ。

こうした日本の旅行会社の企画は、日本の休暇に関する慣習を前提にしている。どういうことか(?)海外では、週末の小旅行は別として、所謂「年次休暇」は日本より長い期間になる。大体、ヨーロッパで1か月(20日)、アメリカで2週間(10日)ぐらいである。

日本でも5月のゴールデンウィークや特に夏のお盆休暇には1週間ぐらいの家族旅行に行く人は多い。が、どこに行くかを前の年から決めている人、ましてや予約している人は稀である。海外旅行の場合でも、早くて数か月前、多くは1~2か月前に決めるケースが多いように思う。旅行会社もそういう時期を見て広告を打っているのである。

ところが海外では、休暇の期間が長いだけではなく、どこに行くのかを決めるのも早い。年次休暇は働く者の、あるいは人生の楽しみだから、今年はここ、来年はあそこ……と行きたい所を決めている。だから、次の年次休暇ではどこに行くかは大体決まっているので、見どころのホテルとか便利な列車とかは1年ぐらい前から予約してしまうのである。

「年次休暇」「年次休暇」と書いてきたが、日本とは意味合い、習慣、考え方が全く違う。日本では風邪を引いても年次休暇を取るが、海外では病気休暇を取る。年次休暇が残ってないからである。年次休暇というものは、風邪を引いたり、運転免許の更新に行かなければならない時に取るものではない。

年次休暇は人生の楽しみ、よく働いた1年のリフレッシュに使うものだからまとめて長期に取る。会社も休暇を取らせる義務がある。だから欧米では有給休暇の消化率は100%である。労働法上の義務でもあるから当然だが、日本の有給休暇の取得率は、長期安定的にほぼ50%で推移している。

休暇の取得率の低さ=休暇の短さもさることながら、問題は中身である。旅行や趣味に使われる日数と並んで病気や家族の用事など「休養でない」休暇が多いのが日本の特徴と言える。

では、年間総労働時間が日本人の場合長いか、と言うとそうでもない。大体アメリカと同じである。その秘密は祝日の日数の違いである。日本の年間の「祝日」は欧米の2倍である。だから、総日数では休んでいるんだが、ばらけていて、まとまった休みを取る習慣はないのである。

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